ボーナスから引かれるお金|月給と何が違うのか

こんにちは、にゃんこです。ボーナスの明細を見て、思ったより手取りが少ないと感じたことはないでしょうか。
賞与から引かれるお金は、毎月の給与とは少し仕組みが違います。今回はその違いを整理してみます。
賞与にも社会保険料はかかる
まず、賞与にも健康保険料と厚生年金保険料はかかります。かつては賞与の保険料が低く抑えられていた時期もありましたが、現在は賞与にもきちんとかかる仕組みです。
毎月の給与の場合、保険料は標準報酬月額という区分表の等級をもとに決まります。一方で賞与の場合は、実際に支給された額の千円未満を切り捨てた金額(標準賞与額)をもとに計算されます。ここが1つ目の違いです。
なお賞与にかかる保険料には上限が設けられています。健康保険と厚生年金で上限の考え方が違うため、金額が大きいほど計算は複雑になります。
上限の考え方は健保と厚年で違う
健康保険と介護保険は、毎年4月から翌年3月までの1年間に支給された賞与の標準賞与額を合計していき、その累計が573万円に達するまでが保険料の対象になります。たとえば夏の賞与で400万円、冬の賞与で300万円だと合計700万円ですが、573万円を超えた127万円分には保険料がかかりません。
一方で厚生年金保険は、1回の支給ごとに150万円が上限です。同じ月に複数回支給された場合は合算しますが、年間の累計という考え方はありません。夏と冬でそれぞれ150万円を超えていれば、どちらの回も150万円分までしか保険料はかかりません。
つまり健保は「年間の合計」で頭打ちになり、厚年は「1回ごと」に頭打ちになるという違いです。高額の賞与を受け取る機会がある方は、この2つの上限を混同しないよう注意が必要です。
所得税は、前月の給与で決まる
2つ目の違いは所得税です。賞与の所得税は、賞与の金額そのものではなく、前月の給与をもとに税率が決まる仕組みになっています。
正確には、前月の社会保険料を引いた後の給与額と扶養親族の人数から、国税庁が公表している「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使って税率を調べます。そして賞与から社会保険料を引いた金額に、その率をかけます。
たとえば前月の給与(社会保険料控除後)が285,454円、扶養親族が3人の場合、税率表の該当する行を見ると税率は2.042%です。賞与が389,558円なら、389,558円×2.042%でおよそ7,954円が源泉徴収される所得税額になります。扶養親族の人数が多いほど、また前月の給与が低いほど、税率は低くなる仕組みです。
前月にたまたま残業が多かった年は、賞与の所得税率も上がります。ボーナスの手取りが去年と違うとき、原因が前月の給与にあることは珍しくありません。なお前月の給与がなかった場合や、賞与の額が前月給与の10倍を超えるような特別なケースでは、月額表を使った別の計算方法が用いられます。
賞与にかかる保険料はどのくらいになるのか
試しに、賞与50万円というケースで考えてみます。標準賞与額は50万円のままなので、上限に達することはありません。健康保険と厚生年金を合わせた保険料率はおおよそ15%前後で、会社と本人が折半するため、本人負担はその半分にあたるおおよそ7万5千円前後になります。
これに雇用保険料と所得税が加わるため、賞与50万円に対して手取りは40万円台前半になることが多いです。上限に達するほどの高額賞与でなければ、月々の給与から引かれる保険料と同じ考え方で、おおよその手取りを見積もることができます。
住民税は賞与から引かれない
3つ目の違いは住民税です。住民税は賞与から引かれません。
理由は住民税の仕組みにあります。住民税は前年の所得をもとに年間の税額が先に決まり、それを12回に分けて毎月の給与から引いていく形だからです。年間の総額があらかじめ決まっているため、賞与のタイミングで追加されることはありません。
まとめると
- 健康保険料 — 賞与にもかかる。年間の標準賞与額の累計573万円が上限
- 厚生年金保険料 — 賞与にもかかる。1回の支給ごとに150万円が上限
- 所得税 — かかる。ただし税率は前月の給与と扶養人数から税率表で決まる
- 住民税 — 賞与からは引かれない
賞与の手取りは、毎月の給与とは別の計算で決まっています。明細を見るときは、前月の給与と並べてみると納得しやすくなります。
この所得税も、毎月の給与と同じで最終的には年末調整で精算されます。多く引かれていた分は、年末に戻ってくることになります。次に賞与の明細をもらったら、控除欄の内訳が今回の仕組みのどこにあたるのか、照らし合わせてみてください。


